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赤ちゃんはあせもができやすい!正しい予防方法とホームケア方法

汗っかきで皮膚がデリケートな赤ちゃんにとって、「あせも」はよくある肌トラブルのひとつ。汗をかきやすい夏場は特にあせもができやすい季節なので、不安なママ・パパも多いのではないでしょうか?
今回は、赤ちゃんにあせもができやすい理由やあせもができたときの対処方法、あせもを予防する方法について、小児科医師の黒木先生にお聞きしました。

黒木 春郎

医療法人社団 嗣業の会 外房こどもクリニック 院長

日本遠隔医療学会オンライン診療分科会会長。日本医師会「オンライン診療研修に関する検討委員会」 委員。厚労省「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」構成員。主な著書は『これからの小児科外来 成功の鉄則』(2018年、中外医学社)など。

医療法人社団 嗣業の会 外房こどもクリニック 院長 黒木 春郎

赤ちゃんにあせもができやすい原因は?

赤ちゃんにあせもができやすい原因は?

赤ちゃんにあせもができやすい理由は、皮膚のバリア機能が未発達であること、そして皮膚が乾燥しやすいことです。

赤ちゃんの皮膚は、外部の刺激から皮膚を守るためのバリア機能が未発達な状態です。そのため、ちょっとした刺激によって、あせもはもちろんアトピー性皮膚炎や湿疹などの炎症を起こしやすくなります

また、赤ちゃんの肌は乾燥気味です。お母さんのお腹の中にいるときは羊水によって皮膚が潤っていますが、生まれた瞬間から乾燥が始まります。その後ある程度の年齢になれば、皮膚のバリア機能や保湿機能が備わって乾燥しにくくなっていきますが、赤ちゃんはまだ自分自身の力で皮膚を乾燥から守れません。あせもだけでなく、赤ちゃんの肌トラブルはベースに「乾燥」があることが多いと言えます。

赤ちゃんのあせもの症状とは。悪化するとどうなる?

赤ちゃんのあせもの症状とは。悪化するとどうなる?

赤ちゃんのあせもの症状と、あせもができているときの行動

汗をかいた後に皮膚が赤くなったり湿疹ができたりしているのであれば、それはあせもです。

また、「皮膚に掻いた跡がある」「背中など手が届かない部位を壁や床にこすりつけている」といった場合も、あせもができてかゆがっていると考えて良いでしょう。

2〜3歳以上の子供であれば、「痛い」「かゆい」などと伝えることができますが、赤ちゃんはまだ言葉で症状を訴えることができません。大人がしっかり見てあげることが大事です。

あせもが悪化すると「とびひ」になることも

かゆみというのは、掻くことによってさらに増す性質があります。これは掻くことでヒスタミンというかゆみ物質が分泌されるからです。「かゆい」→「掻く」→「さらにかゆくなる」という悪循環にはまって掻き続けていると、患部が炎症を起こしてとびひ(患部から菌が入って皮膚がジクジクした状態になること)に発展してしまうことも。

特に言葉で「かゆい」と言えない赤ちゃんの場合、かゆみに任せて掻きむしってしまいがち。寝ている間に無意識に掻いていることもあります。あせもの悪化を防ぐためには、「かゆみを抑える」ことが大事です。

あせもの病院での治療方法は?病院に連れていく基準は?

あせもの病院での治療方法は?病院に連れていく基準は?

赤ちゃんのあせもは皮膚科ではなく小児科へ

まず、赤ちゃんのあせもは、皮膚科ではなく小児科に連れて行きましょう。あせもは皮膚の病気ですが、赤ちゃんの皮膚トラブルは皮膚だけの問題ではないことがほとんど。日頃の生活習慣との関連性も高いので、赤ちゃんのこと全般に詳しい小児科がベストです。

病院でのあせもの治療方法

小児科でのあせも治療は、概ね以下のような内容です。

(1) スキンケアの指導

赤ちゃんのあせもは、スキンケアを見直すことで改善することもあります。おうちでのホームケアの方法や注意点などを指導します。

(2) 炎症や掻きむしりがひどければお薬の処方

あせもの炎症や掻きむしりがひどい場合は、炎症を抑えるステロイド剤やかゆみを抑える抗ヒスタミン内服薬などのお薬を処方します。

(3) 乾燥による湿疹がある場合は保湿を

あせもの原因として皮膚の乾燥がベースにある赤ちゃんも少なくありません。そういった場合は保湿剤を処方します。

病院に連れていく基準

赤ちゃんにあせもができたとき、病院で診てもらうか迷うことがあるかと思います。病院に連れていく目安は以下を参考にしてみてください。

・「これってあせも?」迷ったら小児科へ

「赤い湿疹ができている」「皮膚が赤くなってかゆがっている」これらはあせもの症状ですが、同様の症状が出る他の疾患もあります。例えば、赤ちゃんに多い溶連菌感染症。この病気にかかると、喉の痛みと発熱・体に赤い発疹がポツポツ現れるのが普通ですが、まれに喉の痛みや発熱はなく湿疹だけが出るケースも。こういったこともあるので、「これってあせもなのかな?」と迷うようであれば小児科で見てもらうことをおすすめします。

・ホームケアで治りが悪かったら小児科へ

赤ちゃんのあせもは、スキンケアや生活習慣の見直しによって改善することが多くあります。あせもを予防改善するためのホームケアは次項で詳しく解説しますが、それでも治りが悪い場合は小児科を受診しましょう。なお、市販薬の使用については、症状が悪化しないのであれば使用するのもOKです。

赤ちゃんのあせもを予防、改善するためのホームケア

赤ちゃんのあせもを予防、改善するためのホームケア

赤ちゃんにとって、汗をかくのは大事!

あせもを予防改善するにあたって、「汗をできるだけかかないようにすればいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。ですが、これは赤ちゃんの成長にとって良くありません。赤ちゃんにとって体に汗をかくのはとても大事なこと。汗をかくことで汗腺から汗を出す機能が発達し、体温調節がスムーズにできるようになるからです。1日1回は汗をかき、汗をかいたらシャワーで流すのが理想です。

汗をかいたらシャワーで流して

汗をかくのは大事ですが、かいた汗をそのまま放置しているとあせもができやすくなります。汗をかいたらできるだけすぐにシャワーで流してあげるようにしましょう。拭いただけでは汗を取りきれないので、シャワーで流すのが大事です。

衣服はコットンなどの天然素材を

赤ちゃんの衣類には綿素材がおすすめです。汗をよく吸って肌あたりも優しいので、あせもの予防改善に繋がります。反対に、吸湿性が低く肌刺激になりやすい化繊製品は、赤ちゃんのうちは避けた方が良いでしょう。

赤ちゃんのスキンケアは保湿が肝心

赤ちゃんの肌は敏感で乾燥しやすい状態です。スキンケアでは保湿が重要になります。入浴時は洗いすぎに注意。お湯だけでも汚れや皮脂は十分落とせるので、石鹸やシャンプーは毎日使わなくてもOKです。

まとめ

これから本格的に暑くなる季節、赤ちゃんのあせもは心配ですね。今回ご紹介したように、「汗をかいたらシャワーで流す」「衣類は綿などの天然素材を選ぶ」「皮膚の保湿をする」といったポイントに留意して、赤ちゃんのお肌をあせもから守ってあげましょう。

医療法人社団 嗣業の会 外房こどもクリニック 院長 黒木 春郎

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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