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水ぶくれは潰してOK? やけどを痕にしない応急処置方法【皮膚科医監修】

熱くなった調理器具・熱湯・暖房器具・ヘアアイロンなど、生活の中にはやけどのリスクがたくさん潜んでいます。さらにこれからの季節は、バーベキューや花火などやけどをしやすいシーンが増えるかもしれません。

やけどをしたときに重要なのは、やけど直後にどう対処するか。放っておくと、水ぶくれができてなかなか治らなかったり痕になったりする恐れもあります。

そこで今回は、皮膚科医の佐野升美先生にやけどをしたときの応急処置方法や治療法・ヒリヒリ痛いときの対処法・病院に行くべき目安などについて教えてもらいました。

佐野 升美

さの皮膚科クリニック 院長

近畿大学医学部卒業後、皮膚科医としてさまざまな医療機関に勤務。平成14年に「さの皮膚科クリニック」を開院。

皮膚疾患全般はもちろん、難治性のニキビや光老化・加齢に伴う肌トラブルに対する美容皮膚科的エイジングケア治療に従事している。

直後の対処が最重要!やけどの応急処置方法

●やけどの応急処置方法の基本は「とにかく冷やす」

「とにかく冷やす」、これがやけどの応急処置の基本です。水道から水を出しっぱなしにして、最低20分は冷やしてください。やけど直後にしっかり冷やすか冷やさないかで、傷の深度や治りやすさが大きく変わります。

皮膚の深部に熱が及ぶと水ぶくれができやすくなってしまうのですが、やけど直後に患部をしっかり冷やすと水ぶくれを防げることがあります。

●水道がないときの対処法

水道が近くにない場合は、ペットボトルの水や川の水をかける・保冷剤を当てるなどをして患部を冷やしましょう。

●冷却後は患部を乾かさないように

患部を冷やした後は、乾かさないようにすることが大事です。ワセリンなどの保湿剤を塗って、ガーゼやばん創こうで保護してください。

病院に行くべき目安は?

●水ぶくれができていなければ、セルフケアでもOK

見るからに酷いやけどをした方は迷わず病院に行くと思いますが、軽度のやけどをした方は病院に行くべきなのかセルフケアで済ませて良いのか迷うかもしれません。そこで病院に行くべき目安のひとつにしてほしいのが、「水ぶくれができているかどうか」です。水ぶくれができているやけどは痕になることがあるので、病院で処置してもらうことをおすすめします。

ただし、これはあくまで目安です。水ぶくれができていなくても腫れや赤みが酷かったり痛みが強かったりする場合は、病院で診てもらいましょう。顔や目立つところにやけどをして、色素沈着や痕が不安だという方も、やけどの程度に関係なく病院で処置を受けることをおすすめします。

●病院は感染症を防ぐ処置を受けることもできる

病院は患者のやけどの程度に応じて処置を行います。水ぶくれは潰れると細菌が入って感染症の原因になる恐れがあるので、抗生剤の入った塗り薬や飲み薬の処方を行うこともあります。

やけどがヒリヒリ痛いときの対処方法

やけどがヒリヒリと痛むときは、流水や保冷剤で冷やしましょう。熱をとることで痛みが和らぎます。ただし、痛みが酷いときは病院で診てもらうことをおすすめします。

水ぶくれを潰すと感染症や痕になる恐れが

水ぶくれができたとき、潰した方が良いのか潰さない方が良いのか迷う方がいますが、水ぶくれを潰すのはNGです。水ぶくれを潰すと皮膚の真皮があらわになるため、皮膚の再生が遅くなったり細菌が入り込んで感染症を起こしたりする恐れがあります。また、やけど痕も残りやすくなります。水ぶくれは潰さず、できるだけ早めに病院へ行って適切な処置を受けましょう。

痕を残さないために自分でできるアフターケア

赤くなってヒリヒリする程度の軽いやけどは、痕になることは基本的にありません。やけど後すぐは色素沈着を起こすこともありますが、2・3か月で自然に消えていきます。

ただし患部をかいたり触ったりしていると、軽度のやけどでも痕に残る可能性があります。ワセリンなどの保湿剤を塗った上でガーゼやばん創こうで保護し、いじらないように気をつけましょう。

まとめ

やけどを早くきれいに治すには、やけどした直後の対処が決め手になります。やけどを負ってしまったときは、「まずは冷やす!」「水ぶくれができていたら病院へ!」この2点をぜひ覚えておいてください。

さの皮膚科クリニック 院長 佐野升美

さの皮膚科クリニック URL:https://www.slcdc.com/index.html

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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