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低気圧や雨の日の頭痛・眠気・肩こりに!薬剤師に教わる原因・治し方・予防策

雨天時や雨が降る直前のような低気圧時、体調不良を訴える人は多くいます。頭痛や体のだるさ・肩こり・腰痛・むくみ・ひどい眠気・気分の落ち込みなど、その症状は多岐にわたります。今年のように台風が多いシーズンは、特につらいでしょう。

そこで今回は、薬日本堂漢方スクール大阪校の講師・薬剤師の齋藤友香理さんに、雨の日の体調不良の原因や改善策・予防策などを教えていただきました。

齋藤友香理

薬日本堂漢方スクール 薬剤師

東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂に入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務める。講師となった現在は、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら外部セミナーも担当し、漢方を学ぶ楽しさを広めている。

漢方医学が考える、低気圧・雨による頭痛や眠気の原因

●雨の日によく見られる症状一覧

雨の日に起こりやすい不調は、以下です。

  • 体のだるさ
  • 頭痛
  • 全身のむくみ
  • ひどい眠気
  • 食欲低下
  • 気分の落ち込み
  • 口の中の粘り
  • めまいや吐き気
  • 耳の詰まり
  • 呼吸のしづらさ
  • 関節の痛み
  • 肩こり
  • 手足のこわばり
  • 胃のむかつき

雨が降る前・降っている間にこういった症状が出る原因は湿気の影響で体に水分が溜まりやすくなっているからだと、漢方医学は考えます頭・肩・胃腸などに必要以上に水分が溜まってしまうことで、各所が適切に機能しなくなるのです。この状態を解消するには、水分を体外に排出することが大切です。

低気圧・雨天時でつらいとき。対処のポイントは「水分代謝」!

低気圧時や雨天時の体調不調でつらいときは、体の水分を外にだすことが重要。そこで、次の対処法を試してみてください。

・水分を少しずつ、こまめに摂る
水分代謝を促すために、常温のお水かお茶をこまめに摂りましょう。水分を摂るのがしんどいときは、少量ずつで構いません。水分を摂ることで尿意を促し、体に溜まっている古い水分を排出しましょう。

・ウリ科の野菜や豆類・きのこ類・根菜類を食べる
水分を多く含むきゅうりや冬がん・すいかなどのウリ科の野菜は、利尿作用が期待できます。ただし、ウリ科の野菜は体を冷やす働きもあるので、体を温める作用を持つお酢を使って酢のものにしたり、生姜を加えた温かいスープにしたりするといいでしょう。また、体内の水分循環を促す働きのある豆類や食物繊維が豊富なきのこ類を食べるのもおすすめです。

・運動や半身浴で汗をかく
汗をかくことも大切です。体力がある人には、汗をしっかりかける運動がおすすめ。体力がない方は、じんわり汗をかける半身浴を試しましょう。

・足裏マッサージをする
水分は足に溜まりやすいので、足裏を揉んで水はけを良くするのもおすすめです。足の指をギュッと縮めたときにできるくぼみ部分にある湧泉(ゆうせん)というツボを押すと、効果的です。

・足腰を動かす
足腰を動かすと水分代謝が促されるので、積極的に動かしていきましょう。左右の足を交互に持ち上げる「ももあげエクササイズ」をしたり、立った状態で腰を大きく回したりしてみましょう。

・体を冷やさないようにする
冷えると、体が水分を抱えてむくみやすくなってしまいます。体を冷やさないように、カーディガンを羽織ったりひざ掛けをしたりしましょう。特に、おなか・首・腰・足首はしっかりと温めましょう。冷たい食べ物や飲物も、極力控えるように。

 

しんどいときは、漢方薬も効果的

・五苓散(ごれいさん)
五苓散は、おなかを温めて調子を整える働きや利尿作用があります。体に偏在している余分な水分を体外に排出させる効果が期待できます。

・六君子湯(りっくんしとう)
六君子湯は、体の元気を補って水分代謝を改善する処方です。一時的なむくみやけん怠感にはもちろん、痩せ型で冷えやすい人や慢性的に胃腸が弱っている人にもおすすめです。

五苓散も六君子湯も体にやさしい処方の漢方薬ですが、妊娠中の方が服用する場合は主治医に相談してください。

 

雨の前日にできる予防策

「明日は雨が降るかもしれない」「低気圧が迫ってきている」というようなときは、体の水分代謝を促しておくと体調不良の予防になります。たとえばお風呂にゆったり入って汗をかいて水分を抜くのもおすすめです。

またハトムギ茶やコーン茶など利尿作用のあるお茶を飲んで、体内の水の巡りをよくしておくのもいいでしょう水分代謝をよくする食材を使った料理を食べるのもおすすめです。例えば、冬がんのスープ・きゅうりの酢のもの・あずきごはん・きのこごはん・根菜の煮物などをメニューに取り入れてみてください。

このほか、前項でご紹介した足裏マッサージや足腰のエクササイズで水分が体に溜まりにくいようにしておくのも、体調不良の予防になります。

まとめ

夏から秋に移ろう季節は、夕立や台風・秋雨など雨が降る日が多くなります。雨の日に体のだるさや頭痛・むくみなどを感じやすい方は、体を冷やさない・水分をこまめに摂る・適度に体を動かす・水の巡りをよくする食材を食べるといった体調不良の予防策・改善策を、毎日の生活に取り入れてみてください。

薬日本堂漢方スクール 薬剤師 齋藤 友香理
薬日本堂漢方スクール URL:https://www.kampo-school.com/

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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