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「びっくりさせる」は正しい?漢方医学から考えるしゃっくりの止め方と原因

しゃっくりは生命に関わる病気ではありませんが、長く続くとツライもの。あまりに長引くと「いつまで続くの?」と不安に感じることもありますよね。

そこで今回は、しゃっくりの止め方や原因・予防方法などを薬日本堂漢方スクール大阪校の講師・薬剤師の齋藤友香理さんに、漢方医学の視点から教えていただきました。

「なぜ漢方なの?」と思う方もいるかもしれませんが、しゃっくりを止める際に漢方を用いるのは、医療関係者の間ではとてもメジャーな治療法なのだそう。日頃からしゃっくりが出やすい方は、ぜひ参考にしてください。

齋藤友香理

薬日本堂漢方スクール 薬剤師

東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂に入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務める。講師となった現在は、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら外部セミナーも担当し、漢方を学ぶ楽しさを広めている。

しゃっくりはなぜ出るの? しゃっくりのメカニズム

西洋医学では、しゃっくりの原因は横隔膜のけいれんだとされています。

横隔膜は、肺の下にある弓のような形をした筋肉の膜のこと。胸のあたりが息を吸うと上がり、息を吐くときに下がるのは、横隔膜が伸縮して肺をふくらませたり縮ませたりしているからです。

この横隔膜が何らかの理由でけいれんを起こすと、しゃっくりが出ると考えられています。しかし、横隔膜がけいれんする理由は諸説あり、実ははっきりと判明していません。

ストレスが多いとしゃっくりが出る!? しゃっくりが出やすい人の特徴

西洋医学で解明されていない部分もあるしゃっくりは、実は漢方で対処することができます。そこで今回は、漢方医学の視点から、しゃっくりの止め方などをご紹介したいと思います。

まず、漢方医学はしゃっくりが出やすい方は以下の項目に当てはまる可能性が高いと考えています。

  • 冷たいもので胃が痛くなりやすい
  • お通じが不安定(便秘、もしくは下痢になりやすい)
  • 暴飲暴食をしがちである
  • 生理前に不調になることが多い、生理周期が乱れやすい
  • 呼吸が浅く、ため息が多い

上記は胃腸の機能が低下したり、体が冷えていたりする方によく見られる症状です。また、ストレスを抱えやすい方に多い特徴とも言えます。こういった方は、しゃっくりをしやすい体質になっている可能性があります。

「びっくりさせて止める」は迷信!? しゃっくりを止めたいときの応急処置

●まずは呼吸を整えましょう

しゃっくりが出はじめたら、まずはおなかに手を当ててゆっくり呼吸をしてみましょう。この動作をしている最中もしゃっくりが出ると思いますが、続けているうちに呼吸が巡るようになり、だんだんと症状が治まっていくでしょう。

●びっくりすると治るって本当?

「びっくりさせてしゃっくりを止める」という方法は、必ずしも良いとは言えません。

これは、胃腸に滞った空気を「バン!」という驚きの衝撃で排出させて、無理やり流れを整えるような行為です。効果的なときもありますが、かえって体が緊張して呼吸が浅くなったり、胃腸が機能しなくなったりして、しゃっくりが止まらなくなってしまうことも考えられます

即効性が期待できる漢方薬

続いて、気になる「しゃっくりを止める方法」について。しゃっくりを止めたいときは、漢方薬を用いるのがおすすめ。以下の2種類の漢方薬が効果的です。

・柿蔕湯(していとう)
柿のヘタ・生姜・クローブといった、3つの原料だけで作られるシンプルな生薬です。即効性が期待できるしゃっくりの特効薬として、医療従事者にも知られています。

・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
しゃっくりが出やすい方は、胃腸の機能が弱っていることがあります。そういった方には、半夏瀉心湯がおすすめ。ストレスによる胃腸の不調や、食べ過ぎで張ってしまった胃の調整にも使われている生薬です。

ご紹介した漢方薬は、ドラッグストアでも購入できます。しゃっくりが出やすい方は、常備しておくといいかもしれません。

 

しゃっくりを出にくくするための対策法

●ストレッチで体を緩めてあげましょう

体をぐーっと、ストレッチで伸ばしましょう。深い呼吸をしながら、体の緊張をほぐしていきます。

●深い呼吸で心をほぐしましょう

ストレスが溜まると、呼吸が浅くなります。疲れが溜まっているときこそ、深くゆったりした呼吸を意識しましょう。

●香りのパワーで気の巡りを改善しましょう

香りの力を利用するのもおすすめです。シソやハッカ・パクチー・春菊・セロリといった香味野菜やハーブといった、スッキリした香りが良いでしょう。こういった食材を食べたり香りを嗅いだりすると、呼吸がスムーズになり、胃のつかえもとれやすくなります

ミントのお香やアロマスプレーを使ったり、ミントのあめをなめたり、ハーブティーを飲んだりするのもおすすめです。

あまり長く続く場合、病気が原因の恐れも

しゃっくりは、誰でも経験する症状で、ほとんどのしゃっくりはしばらくすれば自然に止まります。しかし、あまりに長く続くしゃっくりは、胃腸の疾患や脳神経のバランスの乱れなどに原因がある可能性も考えられます不安がある場合は、病院で診察を受けましょう。

まとめ

しゃっくりは生命に関わる病気というわけではありませんが、できれば出ないようにしたいもの。しゃっくりが頻繁に出るという方は、ストレス過多や胃腸の不調・体の冷えといった、しゃっくりが出やすくなる要因を改善していきましょう。今回ご紹介した漢方に頼るのも選択肢のひとつとして考えてみてくださいね。

薬日本堂漢方スクール 薬剤師 齋藤 友香理
薬日本堂漢方スクール URL:https://www.kampo-school.com/

 

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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