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辛い肩こりはなぜ起こる?肩こりの原因・解消方法とおすすめのストレッチ

「肩がパンパンに張っていてつらい」「肩こりがひどくて、頭痛までする」辛い肩こりは多くの人にとって日常的な問題ですね。肩こりを招く原因はさまざまですが、多くの現代人に当てはまるのが「巻き肩」だと考えられます。巻き肩とは、肩が前方に丸まっている姿勢のこと。肩甲骨が外側に開き、腕が内側に入りがちになっています。
そこで今回は、巻き肩が肩こりを悪化させる理由や、効果的な解消方法とおすすめのストレッチなどについて、リコア鍼灸接骨院・北堀江院院長の松尾瑠偉先生に教えていただきました。

松尾 瑠偉

【監修】リコア鍼灸接骨院・北堀江院院長

北海道メディカルスポーツ専門学校出身、スポーツトレーナー歴10年、治療家歴7年。リコア鍼灸接骨院・北堀江院の院長として院で働きながらサッカーJリーグのトレーナーとしてスポーツの現場でも活動しています。

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肩こりの原因は、「巻き肩」にあり!

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仕事でもプライベートでもパソコンやスマホを長時間使う現代人は、前かがみの姿勢になりがちです。すると、肩甲骨が外側に広がったまま固定され、肩甲骨周辺の筋肉の血行が悪くなって凝り固まりやすくなります。また、上腕骨が内側に内転しやすくなるので、腕をしっかり上げにくくなったり、腕を上げたりするときに痛みが出たりすることもあります。

このような状態を、一般的に「巻き肩」と言います。この状態にある人は肩こりに悩まされていることがほとんどです。なぜなら、巻き肩の姿勢が首や肩の筋肉に余分な負担をかけ、緊張を引き起こすからです。そのため、肩こりの予防改善には「巻き肩の解消」が近道だと言えるでしょう。

巻き肩の改善・肩こり解消には、大胸筋をほぐして背中を鍛える!

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巻き肩の人は、背中の筋肉が弱く、大胸筋が緊張している傾向があります。このことから、巻き肩を改善して肩こりを予防・解消するためには、大胸筋をほぐし、背中の筋肉を鍛えることが重要と言えます

大胸筋は、鎖骨の下にある大きな筋肉です。この筋肉が凝り固まっていると、肩が前に引っ張られて前方に丸まりやすくなります。また、胸が開きにくくなることから肩甲骨の適切な動きも制限されてしまいます。

大胸筋の緊張をほぐすことで胸を開きやすくなるので、肩甲骨が本来あるべき位置に戻り、巻き肩の改善だけでなく、背中の姿勢も良くなります

肩こりを解消するためのストレッチ

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大胸筋をほぐすためのストレッチ

1. 壁を使ったストレッチ

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イラストのように、壁に手をついて胸を開くようにグーっと伸ばしましょう。

2. テニスボールを使ったストレッチ

手のひらでテニスボールを鎖骨に添わせてコロコロしましょう。硬くなっているところを中心にほぐしていきます。

背中を伸ばすストレッチ

1. キャットアンドドッグ

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四つ這いになり、息を吸いながら背中を反らせてお尻を上げる・息を吐きながら背中を丸める、この動き繰り返します。大きく息をしながら、背骨一つ一つが動くのをイメージしながらゆっくり行うのがポイントです。

2. 猫の伸びのポーズ

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四つ這いのポーズから、お尻の位置を動かさずに上半身を床に近づけ、両手を前に伸ばします。背中や胸・お腹の伸びを感じましょう。

肩こりを悪化させる要因って?

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ここまで解説したように、現代人の肩こりの原因は、姿勢の悪さや生活習慣から来る巻き肩にあると考えられます。しかし、それ以外にも、肩こりを悪化させる要因がたくさんあります。

前屈みの姿勢

首や肩・背中周りの筋肉が緊張するような姿勢は、肩こりの原因となります。特に注意すべきなのは、パソコンに向かって長時間作業を続けているとき前傾姿勢になりやすく、肩甲骨や背中・肩周りの筋肉が凝り固まりやすくなります。

この改善のためには、作業中の姿勢に気をつけるのが一番大事です。背中をまっすぐに保ち、肩が前に突き出ないように気をつけてください。また、足は床にしっかりつけて膝が90度に曲がるよう椅子やデスクの高さを調節すると良いでしょう。

このほか、適度に休憩をとってストレッチを行うのがおすすめです。上記で紹介したストレッチのほか、腕をぐるぐる回したり、首を左右前後に動かすなどしてみましょう。

ストレートネック

本来首は緩やかな前弯カーブを描いていますが、パソコンでの作業やデスクワーク・スマホ使用などで前傾姿勢を取り続けることで、そのカーブが真っ直ぐになってしまいます。このいわゆるストレートネックも、肩こりの原因です。

そもそも首は5キロほどもある頭部を支えています。首が前傾するにつれて、頭の重さの何倍もの負荷が首にかかるようになってしまいます。その結果、首や肩・背中などに痛みが生じることがあるのです。

ストレートネックの改善のためには、正しい姿勢をとるように心がけることが最も重要です。背中をまっすぐにし、頭を前に突き出すのではなく、自然なカーブを持たせた首の姿勢を維持するようにしてください

とはいえ、ストレートネックの改善は一朝一夕で完了するものではありません。正しい動きを出さないと治っていかないと言われています。気になる方は、ストレートネックの改善治療を行っている医療機関や鍼灸接骨院などに相談してみると良いでしょう。

運動不足

運動不足も、肩こりを悪化させる要因となります。運動不足の方は、全身の筋肉が凝り固まりやすくなり、血行も悪化しやすいからです。激しい運動が苦手・運動をする時間がない方は、上記に紹介したようなストレッチだけでも続けてみることをおすすめします。

冷房や寒さ

冷房が効いている部屋にいると、体が冷えて筋肉が固まりやすくなり、血行も悪くなります。冬場の寒さも同様に肩こりを招きやすくなる要因と言えます。「肌寒いな」と感じたり、皮膚を触って冷えているような場合は、冷房を弱めるか、何か着るなど、体を冷やさない工夫をしてください。

冬場の厚着や重ね着

寒くなってくると、服を何枚も重ね着したり厚手で重いアウターを着たり、首周りを固定しやすいマフラーをしますよね。そのせいで肩周りが圧迫されて筋肉の動きも悪くなり、肩こりを招きやすくなります。冬場の肩こりに悩まされている方は、できるだけ軽量のアウターやマフラーを選んだり、重ね着をしすぎないことを意識したりするといいかもしれません。

重い荷物(リュックサックやショルダーバッグ)

リュックサックやショルダーバッグなど重い荷物を肩にかけていると、肩こりを招きやすくなります。これは、荷物の重みで肩が下がったときに、筋肉が伸びすぎないように筋肉が硬くなるからです。特に、片側の肩のみに大きな負荷がかかるショルダーバッグは肩こりを招きやすいと言われています。

少しでも負荷を減らすためには、リュックやショルダーの紐をできるだけ短くして、本体を体に近づけるようにしてみましょう。また、荷物がたくさんあるときはスーツケースを使うのも良いかもしれません。

まとめ

松尾先生曰く、「肩こりは現代人にとってデフォルトである」とのこと。これは、現代人の生活習慣が姿勢を悪くさせる要因に溢れているから。だからこそ、「日々のメンテナンスをどれだけやっているかで年齢を重ねた時に大きく違いが出る」とおっしゃっていました。肩こりに悩んでいる方は、ぜひ今日から大胸筋や背中を刺激するストレッチなどを行なって、セルフメンテナンスに努めてくださいね。あわせて、ひどい肩こりでお困りの方は、一度鍼灸接骨院などの治療機関で相談してみることもおすすめします。

リコア鍼灸接骨院・北堀江院院長 松尾 瑠偉

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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